地盤が弱かったら
宅地で、不足する敷地の高さを補うために盛土による造成が行われることが
ありますが、この場合盛土には地盤としての大きな支持力を期待できません。
そこで、盛土部分では、床面が硬質地盤に到達するように、基礎を深くする
か、基礎を支える地業を施して地盤を強化します。
木造住宅の基礎づくりは、まず基礎の下の地盤に地業を施して、建物と地盤
を一緒に支えることから始まります。
建物の中でももっとも軽い木造住宅では、あまり地盤の調査もすることなく、
外見で地盤の強弱を判断しがちでした。
そして、地盤の強弱に対しては、地業よりも地耐力に応じた基礎をつくること
で、以前は対処してきました。
このことからも昔は基礎の下に割栗石と呼ばれる大きな石を敷きならべて地盤
強化する割栗地業が用いられてきました。
一方、杭を打って基礎を支える杭地業が現在多く採用されています。
古くは、木造でも規模の大きな建物や軟弱な地盤には、マツの木杭を用いるこ
とがありました。
現在確かに、鉄筋コンクリートでつくられる基礎により、全体が一体化され
強固になり、部分的な地盤沈下が少なくなりました。
しかし、地盤の状況は今も昔も変わりません。
むしろ宅地の造成による埋め立てなどによって、硬質な地盤が深くなったり
などで、地耐力が不均一な地盤となることがあります。
このような地盤では、いかに頑丈な基礎でも、建物全体の沈下や部分沈下に
よる建物の傾きを防ぐことはできません。
そこで、このような地盤には、コンクリートや鋼管の杭を打ち込んで基礎全
体を均一な耐力をもつ硬質地盤で支えなければならないのです。
これは計画敷地地盤の土質構成を確認し安全かつ合理的な構造物の設計、
施工に必要な資料を得るために実地されます。
スウェーデン式サウンディング試験により調査データ解析をし、表層部の
平均支持力や土質の構成が不均等、表層下部が軟弱で連続的に自重自沈層
などが確認されると、圧密沈下により、建物に有害な不動沈下を起こす可
能性が出て来ます。
これは建物に対し長期にわたり安全に支持する為の基礎補強を目的とします。