丈夫な床組をつくる
住宅での日常生活において、建物の構造部を意識することはあまりありません。
それでも、意外に身近なところで構造上の問題は起きています。
それでも、意外に身近なところで構造上の問題は起きています。
二階の床組みは架構の歪を左右する
床のしくみは、一階と二階とでは異なります。
一階の床からの荷重は、直接、床下の地盤に伝わりますから、
架構とは直接的なかかわりが薄く、主要な構造部ではありません。
一方、二階の床が受ける荷重は、いったん一階の軸組に伝わり、
柱から一階の土台、基礎、地盤に伝わります。
二階の床組みは、これらの軸組を水平荷重によって支える大切な
役割を担っています。
このことから、二階の床組みは、床荷重を支える以上に、架構の
歪みを防ぐために丈夫に組む必要があるのです。
たわみをどう防ぐか
一階の床は、床組の材料接合部が緩んで、床なりが生じます。
これらの接合には、十分な長さの釘打ちが必要です。
また、床の傾きやたわみの原因に束石に沈下や床束の浮き上
がりがあります。
これは、地盤地業を堅個になされ、床下地材が相互に金物等
で緊結されているかどうかが問題となります。
二回床組みでは、床ハリやそれを受ける横架材の大きさ、成
が不足することによって、歩いたときに床のたわみを感じます。
これらは、設計の段階でかかる荷重を十分に検討し計算するこ
とが、必要になります。
金物補強
伝統的な木造建築では、木組みに金物が使われていな
いことで知られています。
構造部材の接手や仕口には木栓やクサビを用いました。
以前、大工の間では、金物をできるだけ使わないことが
尊ばれる風潮がありましたが、現代の木造工法は、伝統
的なものとは構造的な仕組みがかわりました。
伝統工法では、太い柱とハリを木栓やクサビで強固に接合
し、あらゆる荷重に耐える架構をつくる方法でした。
現在は、細い柱やハリを組み合わせて、上からの荷重だけ
を支えます。
地震や風による水平荷重に対しては、架構に筋かいを組み
込み(耐力壁)を構成し、壁面で対処します。
この耐力壁に、水平荷重が働くと、柱・土台・筋かいに
いろいろな力が加わります。
この力により柱が土台から引き抜かれたり、筋かいが接
合部から外れたりすることになります。
そこで、引張りに強い金物による補強が必要になってく
るのです。
これは強い家をつくるために必要不可欠なものとなります。