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丈夫な床組をつくる

住宅での日常生活において、建物の構造部を意識することはあまりありません。
それでも、意外に身近なところで構造上の問題は起きています。

二階の床組みは架構の歪を左右する

床のしくみは、一階と二階とでは異なります。

一階の床からの荷重は、直接、床下の地盤に伝わりますから、
架構とは直接的なかかわりが薄く、主要な構造部ではありません。

一方、二階の床が受ける荷重は、いったん一階の軸組に伝わり、
柱から一階の土台、基礎、地盤に伝わります。

二階の床組みは、これらの軸組を水平荷重によって支える大切な
役割を担っています。

このことから、二階の床組みは、床荷重を支える以上に、架構の
歪みを防ぐために丈夫に組む必要があるのです。20161006_105828


たわみをどう防ぐか
  
一階の床は、床組の材料接合部が緩んで、床なりが生じます。

これらの接合には、十分な長さの釘打ちが必要です。

また、床の傾きやたわみの原因に束石に沈下や床束の浮き上
がりがあります。

これは、地盤地業を堅個になされ、床下地材が相互に金物等
で緊結されているかどうかが問題となります。

二回床組みでは、床ハリやそれを受ける横架材の大きさ、成
が不足することによって、歩いたときに床のたわみを感じます。

これらは、設計の段階でかかる荷重を十分に検討し計算するこ
とが、必要になります。20150425_144401


金物補強 
  
伝統的な木造建築では、木組みに金物が使われていな
いことで知られています。
構造部材の接手や仕口には木栓やクサビを用いました。

以前、大工の間では、金物をできるだけ使わないことが
尊ばれる風潮がありましたが、現代の木造工法は、伝統
的なものとは構造的な仕組みがかわりました。

伝統工法では、太い柱とハリを木栓やクサビで強固に接合
し、あらゆる荷重に耐える架構をつくる方法でした。

現在は、細い柱やハリを組み合わせて、上からの荷重だけ
を支えます。

地震や風による水平荷重に対しては、架構に筋かいを組み
込み(耐力壁)を構成し、壁面で対処します。

この耐力壁に、水平荷重が働くと、柱・土台・筋かいに
いろいろな力が加わります。

この力により柱が土台から引き抜かれたり、筋かいが接
合部から外れたりすることになります。

そこで、引張りに強い金物による補強が必要になってく
るのです。

これは強い家をつくるために必要不可欠なものとなります。7f83dc35eb93d7c6846109d54c730b46_s